ゆきのひ

 札幌は3月としては35年ぶりの雪だそうで まあ35年前なんて覚えてるかって言われたらそんなわけもないですね......35年前だったら8歳ですか......若かった(っていうレベルでもないのか) この頃どんな子だっただろうか って思い返すと まあ成績は優等生だった 当時の通信簿は3段階評価でABCでしたけど全部Aだった

 あと覚えてるのが 学級会で みんなお互いに ○○さんはとっても××でした っていうのを探そう みたいなのがあって それは スポーツが良くできました とか 勉強が良くできました とか いろんなのがあって 最初に自分で ××がよくできました!って言って 他のクラスメイトが そうだね とか 他のが良かったよ とか言ってくれるのだった

 私はそういう子だったので 自分では 勉強がよくできました! って言ったのですけど クラスメイトは いむさんは やさしい がよくできてたよ そうだよ やさしい だとおもうよ って言ってもらえて その時はイマイチピンと来なかったのですけど 今思うと その頃から外面の良い子だったのかなあなんて

 ......でも 自分は勉強できるのぐらいしか取り柄がないと思ってたから みんなにやさしいっていってもらえたのは すごくびっくりしたことで でも とってもうれしくって

 そんなことを思い出したのは今日が会社の人事面談(半年に1回ある)だったからかな

 下半期の業績の評価をいろいろしてもらって 部長に言われたのは 井村くんは自分の意見もあると思うけどそれを強く出さないで 会社の方向性を理解してくれて行動してくれるので 一緒に仕事をしていてやりやすいし有難く感じている って言われた

 うん 万単位の人が働いてる企業ですし 自己主張して通る環境ではないのは痛いほど感じてるし ここで自分の与えられてる役割を にこにこしながらこなしてるのが ここでは賢いやり方なんだろうなって 流石に10年以上勤めてるとわかるので......

 仕事中は何を求めるわけでもないし お客さまにご迷惑かけないで仕事をこなしていければまあ いいかな って そんな感じ この会社では 総合職と呼ばれる新卒で入った人以外はすべて外様なのです 転勤も受け入れられない我々のような職種は日々をこなしていくので精一杯です

 プライベートに 日常に しあわせを求めてしまうのは 仕事で抑圧されてる部分があるからっていうのもあるのかもしれないですね

 こんなにだいすきで 想ってる人に 自分の気持ち伝わってほしい とか 少しぐらい私のこと見てほしい とか そんな自分勝手なことばっかり考えて

 なにより 他の人が知らない本当の私のこと 知ってほしいって思って ここにいろんなこと書いてたし 今も書いてる もう聞いてもらえなくなっちゃったけど いつかまた聞いてもらえないかなって思いながら書いてる 私がこのひとのことをこんなに想ってるのはこのひとしか知らなくって 他の誰に話したこともないから

 女の人って強すぎる想いは迷惑にしかならないのかな そういうまんが読んじゃった そんなこと言っても こんなにだいすきなのに どうすればいいんだろう そんなに興味なんてないってふりすればいいのかな ちょっと関わり持てたら後はどうでもいいや とか そんな軽い気持ちですきになんてなれないのに 遊び半分ぐらいの方が女の人にはいいのかなあ

 私にはなんにも男として魅力になれるようなものは持ち合わせていなくって このひとを 誰よりも 他の誰にも負けないぐらい想ってるってことしかなくって でもそんなの求められてなくって

 

 35年前に戻って もう一度人生やり直したいとか そんなことは思わないけど もし35年前の自分に会えたら あと30年ぐらいしたら とっても とっても素敵な人に出逢うことになるから その時に選んでもらえるような人になれるように生きてくんだよって 一緒にそのひとと そのひとの大切なものを作れるような人になれるようになれたら ひょっとしたら選んでもらえるようになれるかもしれないから そうなれるように生きてくといいよって教えたいかな

 30年かけたら このひとに選んでもらえるような自分になれないかな 私も頑張ろうと思うけど よく何かを始めるのに遅すぎることなんてないって聞くけど このひとに選んでもらえるようになれる私になるには 今からだと残り時間が短すぎるんじゃないかなって思ってしまって でも このひとが生まれる前から準備していれば もうちょっと早く出会えて もっとこのひとのためになにかできるんじゃないかなって

 他の誰にどんな風に思われてるかなんてもうどうでもいいから このひとにだけ ちょっとでいいから必要なものになりたい いてもいいぐらいじゃなくて いてほしいなって思われるようになりたい 生まれる前からだいすきでいたら そういうふうになれなかったかな